農業共済新聞 掲載
近畿版京都支局記事
2016年10月2週号
安全性を重視 エコファーマー取得
健康ファーム 綾部市
綾部市睦合町の健康ファーム(小田垣歩代表取締役)では「食の安全」と「健康」を重視した野菜生産に取り組む。地域農業に貢献する農地所有適格法人として基盤固めを目指す。
収穫したてのサツマイモ「べにはるか」を持つ友行さん
従業員と作業について話す友行さん(右)
サツマイモはトラクタで土を起こして収穫する
健康ファームの創業は2013年12月。代表を務める息子・歩さんの「食の安全から健康づくりを支えたい」という思いを後押ししたのが、同法人のマネージャーで父の小田垣友行さん(65歳)だ。
経営理念には、1.日本国土の再生2.食の安心・安全・安定3.地域社会への貢献――を掲げ、14年2月に農業生産法人(現・農地所有適格法人)となった。
同年10月にはエコファーマー認定を受け、15年4月に有機JAS認証取得のための申請も行なった。
従業員は7人で、サツマイモ「べにはるか」220アールを中心に、タマネギ150アールや黒大豆のエダマメ「紫ずきん」110アール、小豆50アールを作付ける。
販路開拓やマーケティングは歩さんが担い、友行さんは圃場や従業員の管理を担当。「半年に一度、土壌検査を行い、作物にとって最適な環境を整えています」と友行さんは話し、安全面や栄養面に配慮した栽培に注力する。
3年計画でCEC向上へ
バイオ堆肥やアミノ酵肥のほか、肥料として硫黄や卵殻なども使用。土壌の保肥力を示すCEC(陽イオン交換容量)を高めるため、3年計画で土壌改良にも取り組んでいる。
市場出荷のほかインターネット販売も行い、前年の売り上げは1千万円を超えた。「地域の農作業受託や繁忙期のパート従業員の雇用など、地域社会に貢献したい」と友行さん。「今後は販路の拡大と経営基盤を確立し、会社の認知度と共に、食の安全への理解を広めたい」と意欲を示す。